内視鏡のはなし1
ストレスのせいか体調不良が続き、胃カメラをやった。
とくに問題がなかったのだけれど、腫瘍マーカーがちょいと高めだったので、大腸内視鏡をやりなさいと言われた。
行きつけのクリニックでは大腸カメラはやっていなかったので、紹介先の総合病院へ行くことになった。
仕事がお休みの日にしたのだけれど、午後からどうしても職場でやらねばならない用事があり、午前中で診察が終わるだろうからその足で向かえばいいねと軽く考えていた。
紹介状を受付に出し、CTはサクサクと撮り終った。しかしドクターの診察がなかなか回ってこない。約束の13時半には間に合いそうにないので、事情を話し午後の部に再度出直すことにした。
用事を終えて再度来院。
また保険証を出すところからやり直す。面倒だ。
午後の診察の受付をして、待つ。午前よりは空いているようで、ほどなくして名前が呼ばれた。
最初から午後に来ればよかったなー。
ドクターは午前と午後とで変わっていた。
CT所見で女性のドクターは、まず「甲状腺が腫れているのが気になる」と言った。
実は甲状腺腫があるので年に1度様子観察している。今まで他から言われたことがないので、ちょっとホッとした。ちゃんとわかる先生なんだな。
それ以外はなんでもないようなので、紹介元のオーダーである大腸内視鏡の日取りが翌週火曜日となった。翌日に夜勤だけど大丈夫かな。
前日に飲む下剤と検査食を渡されて帰宅。
ああ、とうとう私も肛門デビューするのね・・・。
家で説明書をいろいろ読んでいくうちに、やはり大事を取って翌日はお休みしようと思い、夜勤を代わってもらう。何もなかったらいつも通り大丈夫だけれど、ポリープ切除の場合、2週間は旅行するなだって。10日後に実家帰るんだけど、万が一ポリープあってもギリギリ大丈夫かな。
てなわけで、前日。
渡されたマグコロールPとピコスルファートナトリウムひと瓶!いつも老人に飲ませているものを、私が飲まねばならぬとは!
あまり便秘しない、どちらかというとユルイ方の私が飲んだらどうなるのだろう?
飲む。
まだ来ない。
あ、ちょっと来た?
今晩は寝れないかもしれないと覚悟していたが、それほどでもなかった。
当日。
予約時間に病院へ行くと、つい立ての奥に大腸内視鏡患者コーナーに通された。
すでに3人が準備に入っている。用意されているものを見るに、私も含め5名らしい。
看護師に下準備の説明を受け、早速下剤を飲まされる。昨日結構出したのに、まだまだ飲まされるのか。
30分おきくらいに看護師がチェックにくる。「やぎやぎさーん、もう少し頑張って飲んでね」2リットルを2時間くらいで飲み切らないとならないらしい。
最初はなんとか飲めていたけれど、進むにつれて塩味がきつく感じる。つらい。
便の状態を自己申告でチェックし、その状態の整った人から内視鏡に入るとのこと。
しばらく何もなく読書なんぞしていたけど、便意をモヨウしはじめるともうお尻が痛くなるくらい通うことになる。7~8回は出してもらわないとねと看護師は言っていたなぁ。
隣のご婦人とつらさを分かち合いながらなんとか2リットルを飲み終え、トイレから戻ると、1名内視鏡室に入った様子。
トイレに行き過ぎて、お尻が風邪で鼻をかみ過ぎてヒリヒリした状態のようになっており、もうとてもつらい。ああ、もうやだ・・・と思っていたら、「やぎやぎさーん」と内視鏡室に呼ばれてしまった。二人を飛ばしてよい状態になったらしい。
ドキドキ。
リクライニングチェアのある更衣室に通され着替える。丈の長い検査着と、不織布でできたお尻に穴の開いているパンツ。
名前が呼ばれ、まな板に乗る。
女子ばかりの内視鏡チームにいろいろ処置され、鎮静剤投入。「ちょっとボーっとしてきますよー」と声がかかり心の準備をしていたが、お尻の穴をぐりぐりとされて「ああっ」と身もだえているうちに落ちていた。
どのぐらいたったのかなあ?ぼんやりと覚醒し初めたときに「にょろん」とお尻から管が出る感覚!
「覚醒してるね」丁度終わったところだった。
ふらふらと控室へと歩き、しばらく休憩する。
声をかけられてドクターの説明を受けるが、ぼーっとしていたのでよく覚えていない。
「ポリープ、2つ取りました」
えっ?
あったの?
処置後の説明を看護師から受けて帰宅。
麻酔は頭痛もなくすっきりしている。けどとりあえず寝る。