内視鏡のはなし2
翌日。
まさかねえ。そのままラーメン食べて帰ろうと思っていたのにポリープあったなんて。
暴飲暴食して帰ろうと思っていたのに予定が狂った。仕方ない。
2個ポリープ切除したとのことで安静にして過ごす。よかったー、夜勤代わってもらっておいて。でもなんともないから夜勤できたかもなあ。
1日静養し、術後2日目の夜勤。
「お腹に力を入れるようなことはしないでください」
まあ大丈夫だろうと出勤。普通にこなす。今日のお昼には少量だけどふんわりした便がでたし、血も交じってなかった。
念のために腰ベルトでもしておこうっと。
夜9時頃。
ん?ちょっとお腹がごろごろするな。夕飯をちょっと食べたからモヨウしたかな?とといれに行く。下痢ピーだな。
ん?なんだこの感覚は。
「なんじゃこりゃあ!」
便器の中が真っ赤っか!思わず声が出てしまった。
便を出すときに「にゅるん」と今まで肛門から出したことのない感覚。やわらかいゼリーのような。でも知っている。この感覚は!血の塊だ!
真っ赤に染まった便器を見て、驚いたけど冷静だった。
「ああ、出血ね」
ん?ちがうちがう!出てはいけないところから出ているんだった!
女性はこのような光景を見慣れているから、さほど驚かない。それはそれは真っ赤に便器が染まっても。
痛みはない。
血の塊も出ている。
肛門って結構繊細だ。
血の塊ってわかる。食物のカスとは違うってわかる。すごいなあ肛門!
1~2時間おきに下痢ピー状態で鮮血と血の塊を出し続けていた夜勤。
どうしようかなあ。
痛みはないし、気分悪くもない。
そのうち止まるだろうか?
夜だし、代わりの人もいないしで夜勤は続ける。
病院に電話する?明日受診すべき?
結局朝になっても出血は止まらず、帰宅後病院に電話する。
「あのー、ポリープ切除したんですが、出血しているんですけどどうしたらいいですか」
病院の事務員が対応するが「心配なら来てみてください」
ネットで調べたら、1週間後の出血で死亡した事例もあるので、受診することにした。
土曜だったので、12時ギリギリに滑り込んだ。
事情を話すと、処置室のベッドに寝かされる。
看護師に症状を説明、出血の程度を尋ねられ、真っ赤に染まった便器の写真を見せる。
「あー、これは入院かもね」ええっ?入院?明日も夜勤なんだけど。
担当の先生はおらず、別のドクターが担当する。検査着に着替えさせられ、点滴を付ける。血液検査とレントゲン、心電図をとる。尿検査も言われるが、さっきトイレに行ったばかりだ。
「あとは造形CTやるかも」
なんだか大事になってきたなあ。
しばらくして内視鏡担当した女性ドクターに連絡がついたらしく、来てくれることになった。
夜勤明けでウトウトしていたらドクター到着。
例の写メを見せて説明する。
「出血続いているのなら入院しなくちゃかな」「また出血したらすぐ処置しないと」
ええー、夜勤あるのになー、でも入院なら仕方ないか。有給消化するか。
とりあえず、大腸洗浄して再び内視鏡で処置することになった。
なんだか病人みたいだ。点滴もついてるし。
内視鏡室は前回と同じ女子チームが暖かく迎えてくれた。
「大変でしたね」「びっくりしましたね」と皆さん労ってくださる。
私も2回目だけどなんだか懐かしい場所に帰ってきた感じがした。
鎮静剤、どうしようかな。
術中の会話も聞きたいけど、つらいのは嫌なので鎮静剤を希望した。
無事手術が終わり、クリップを増やし止血したらしい。
説明を受けたけれど、またぼんやりしていてよくわからん。
「帰っても大丈夫ですよ」「ばっちり留めたから」とドクター。
着替えて、お会計して帰宅した。